前回のブログで「サグ出しはサスペンション本来のポテンシャルを引き出す必須の儀式!」とお伝えしましたが、今回はさらに一歩踏み込んだ【Part 2:深掘り編】です!
「マニュアル通りにライディングサグ(乗車サグ)を合わせたのに、なぜか乗り心地がしっくりこない…」
「プリロード調整リングを回しまくってギリギリ数値を入れたけど、これで良いの?」
そんな疑問を解決する、「スプリングレートの適正チェック」と「サスペンションの初期馴染み」について解説します!
まだPart1を読んでない人はコチラから→https://x.gd/lKx56
1. ライディングサグ(乗車)とスタティックサグ(空車)の「関係性」
まず前提として、そのスプリング、本当にあなたに合ってます??ってとこからっすね。
もちろんライディングサグをプリロードで調整すれば、ある程度のサグは合わせられます。
しかし「ライディングサグを合わせた後にスタティックサグを確認」しないと、そもそも大前提としてスプリング自体が自分に合っているかが分からないんですよね。
それはどういう事かって言うとですね…
例えばマニュアルに載っているライディングサグ規定値が110mmで、スタティックサグ規定値が40mmだったとしましょう。
まず「スタンドアップの状態」と「乗車した状態」の差を110mmに合わせます。これがライディングサグですね。


その後に「スタンドアップの状態」と「バイクに乗車せず、手で支えて自立している状態」の差が規定値(ここでは40mm)になっているか?ということです。
※もちろんジャスト40mmはシビア過ぎるので前後5mmぐらいはいいと思います。


この作業で何が分かるかというと...
| ライディングサグ調整後のスタティックサグ | サスペンションの状態 | 必要な対策 |
| 数値が小さすぎる(沈まない) | プリロードを締め込みすぎ=バネが柔らかすぎる | 硬いスプリングに交換 |
| 数値が大きすぎる(沈みすぎている) | プリロードを抜きすぎ=バネが硬すぎる | 柔らかいスプリングに交換 |
| 推奨値に収まっている | バネ圧もレートも完璧! | ベストセッティング! |
なんでこうなる???
数値が小さすぎる(沈まない)ということは、ライディングサグを合わせるためにプリロードをギュンギュンに締め込んでいるということですよね?
その結果バイク単体(自重)の時にはバネが突っ張ってしまい、スタティックサグが全く出ないという理屈です。
そうなると最初からスプリングはギュッと縮んだ状態なので、これではギャップでリアが跳ねたり、乗り味も硬いし、そもそもスプリングがサスペンションの正常動きを邪魔して、動きが悪くなります。
逆に数値が大きすぎる(沈みすぎる)という事は、ライディングサグを合わせるためにプリロードを相当緩めているということですね?
その結果バイクの自重だけでガッツリ沈んでしまい、スタティックサグが出過ぎているという状態です。
そうなると最初からスプリングに適度なテンションが掛かっていないため、初期の柔らかくフワッとしたおいしい部分が使えず、結果としてサスペンションの奥の踏ん張る部分を使うことになり、ガツガツとくるキツい乗り心地になります。
「プリロード調整」はあくまで微調整であって、基本となるスプリングレートが体重やライディングスタイルに合っているかをチェックするのが、本当のサグ出しなんです。
ちなみにHusqvarnaは初期設定では75kg~85kg体重用のスプリングがついています。
当店のお客様の半数ぐらいは1レート落として65kg~75kg用スプリングに交換していますよ!
2. 見落としがち!サスペンションの「初期馴染み」
納車直後と慣らし後で、サグはビックリするぐらい大きく変わりますよ!!!
「新車納車時にバッチリサグを出したからもう安心!」ではないんですよね。
新車時やサスペンションをオーバーホール(OH)した直後は、以下の理由でサスペンション本来の動きが出ていません。
- オイルシールやブッシュのフリクション(摩擦抵抗)が大きい
- 新品スプリングの初期ヘタリ・馴染みがまだ出ていない
数時間〜数回ライドして「慣らし(馴染み)」が進むと、各部のフリクションが抜けてスプリングも落ち着き、サスペンションが本来のスムーズさで動くようになります。
すると…納車時に測ったサグ数値から必ずズレが生じます!
今までの経験上、ほぼ確実に10~20mmはズレます...
またもう何十時間も走ったサスペンションでも少しずつはズレが生じるもんなんです。
個体差や乗り方による差はあるものの、実際に半年間乗りっぱなしだと少し沈んでいたりすることが多いです。
その数ミリのズレが大きく乗り味に影響するわけではないですが、大きくズレる前に調整してやることが大切です!
おすすめのチェックタイミング
- 納車時(またはOH直後): まずは基準を作るための初回サグ出し
- 5〜10時間走行後: 各部が馴染んだ後の「本番サグ出し」
- シーズン毎(定期チェック): スプリングの経年変化や体重変化の確認
「最近なんかサスが柔らかく感じるな」「初期の動きが変わったかも」と感じたら、それはサスペンションが馴染んだサインです!
まとめ:Husqvarnaの走りを100%楽しむために
サグ出しは「一度測ったら終わり」ではなく、自分の体重に合ったスプリングを選び、馴染みに合わせて微調整していくプロセスです。
- 「自分の体重に標準スプリングが合っているか知りたい」
- 「慣らしが終わったからサグを再計測してほしい」
- 「スプリング交換の相談に乗ってほしい」
という方は、ぜひご相談ください!
個人的に僕は『自分に合っている』『乗り心地が良い』サスペンションは速く走る為だけでなく、疲労や転倒の予防になると考えています!
せっかくの高性能なWPサスペンションですから、性能を最大限引き出して楽しく乗りましょう!!
ちなみにHusqvarnaはサグ出しをする際の目安の位置に『SAG』と表記してありますよ!
それほど大切で、シビアに頻度高くやってね!ということでしょうね!

